どれくらい読めばいいの?
初心者が入門でやるなら何をすべき?
中国語の多読ってそもそも効果あるの?
今回はこんなお悩みを解決していきますね。
本記事の内容
・第二言語習得研究から見る多読の効果
・100万語を目標に多読しよう!
・正しい多読の方法
・多読するときに気をつけたい3つのポイント
・多読初心者にオススメできる教材
本記事を書いた人
僕は以前、以下のような理由で中国語のレベルが全くレベルが上がらなかったのを覚えています。
・なかなか聞き取れない
・読むのが遅い
・言いたいことを言えない
・単語がなかなか定着しない
結論から言うと、上記の悩みは多読で解決することができます。
「いやいや、それはないでしょ〜」って思いますよね。
そこで、本記事では「第二言語習得論から見る多読の効果」と「効果的な多読のコツや方法」を解説していきます。
本記事を参考にすれば、多読がなぜ語学学習において重要なのかを知ることができます。
ぜひ、本記事の内容を実践してみてくださいね。
第二言語習得研究から見る多読の効果
本記事を読んでいる方の中にもこんなお悩みを抱えている方いませんか?
・なかなか中国語が口からでない
・ずっと勉強しているけど、単語をすぐ忘れる
・文法は合っているけど、不自然な表現と指摘されてしまう
これらの悩みは、実は第二言語習得研究の分野で解決できることがわかっています。
結論からいうと、「多読」をやりましょう!って言うのが答えです。
人間が母国語(第一言語)の他に第二言語を習得するプロセスを解明する学問のことを指しています。
多読で全ての悩みが解決する
第二言語習得研究で明らかになっているのは、「インプット」が言語習得で一番大事ということです。
・話すことができない
・書くことができない
・単語を覚えられない
といった悩みは、全てインプットが足りていないせいです。
例えば、「話すことができないという理由」でオンラインレッスンからいきなり始めようとする方がいますよね。
一見すると「話せるようになりたいから」という理由は確かに正しいように思えます。
しかし、全く知識がない(インプットできていない)状態では、口から中国語が出てきません。よく考えれば当たり前のことですよね。
また、単語を覚えることができない人は一日の中で単語に出会う頻度が少ないからなかなか覚えることができません。
でも、毎日多読をすることでたくさんの単語に何度も出会うので脳は忘れにくくなります。
『外国語学習の科学』という本の中で、言語教育学者の白井恭弘さんは、
多くの実験研究が行われているにもかかわらず、アウトプットそのものが言語能力の向上につながった、という結果はあまり出ていない
「外国語学習の科学」(岩波新書)より
と指摘しています。
その上で、「多く聴く、多く読む(インプット)」のが言語習得において大事であると言及しています。
つまり、大量のインプットをしないと知識がないのでアウトプットするのは不可能であるということです。
語学の上達をするために多読が必須なのは、科学的な観点から正しいといえますね。
100万語を目標に多読しよう!
とはいえ、多読をどれくらいやれば効果が出るのか分からないですよね。
結論からいうと、1年で100万語目指しましょう!
100万語に到達すると間違いなく、中国語を日本語に介さずスッと理解できるのに気づきます。
100万語って聞くと、多すぎる印象がありますよね。
でも、計算すると意外に多くないことに気づきます。
100万語は1ヶ月で8万4000語の量です。つまり、1日で2800語を読めればOK。
日本で売られている中国語の参考書の文字数は一ページで300〜400文字ほどです。
ということは、1日7ページ以上読めばOKということになります。
本気出せば、7ページは15分くらいで終わる量ですね笑
100万語読み終えた後は、間違いなく自分の中に少しずつ知識が蓄積されていくことを実感するはずです。
まずは、100万語を目標に多読してみましょう。
正しい多読の方法
とはいえ、正しい多読のやり方が分からないと効果が全く出ません。
そこで以下のことに気をつけてください。
この三つは、「NPO多言語多読」で紹介されている原則です。
詳しく解説していきますね。
辞書は引かない
多読をしていると分からない単語によく遭遇します。そんな時にどんな意味かを調べたくなりますよね。
しかし、辞書を引いてしまうとデメリットがあります。
・調べる時間が増えるので読むスピードが落ちる
・継続が難しくなる
多読を毎日の習慣にするには、できるだけ楽しくコンテンツを楽しむことが大事です。
しかし、いちいち知らない単語を調べていてはただの単語学習に置き換わってしまいます。
そのため、コンテンツを楽しむことが次第にできなくなり挫折というオチになりかねません。
多読は、簡単な中国語を大量にインプットすることが目的なので辞書は引かないようにしましょう。
分からない単語が多い本の場合は、もう少し簡単な本を選んでもOK。とにかく分量をこなすのが大事です!
分からないところは飛ばす
もし、習ったことがない文法や成語が出てきても気にせず飛ばしましょう。
文脈から大体こんな意味かな?と推測できれば問題ありません。
ここでも、あくまで簡単な中国語を頭にインプットしていくのが目的です。
完璧主義にならず一日の中でできるだけ多く読むことを意識するくらいでOK!
合わないと思ったら投げる
たくさんの本を読んでいると自分に合わない作品に出会うことがあります。
そんな時は、さっさと他の本を読みましょう。
「せっかく買ったのに読まないのはもったいない」と考えてしまう人は多いですし、昔の僕もそうでした。
でも、いつまでもつまらない本に固執していても興味がないので頭に入りません。
そのせいで、結局挫折してしまったらもったいないですよね。
その本は、「今の自分が読むタイミングではない」と開き直って次の本を読んだ方が時間を無駄にしません。
もちろん、本は一冊にこだわらず2〜3冊を同時進行で読み進めてもOK。
とにかく量をこなしましょう!
多読するときに気をつけたい3つのポイント
ここまで、正しい多読のやり方を解説してきました。
しかし、ここで注意すべきポイントが3つあるので頭の中に入れておいてください。
①90パーセント以上理解できる教材を選ぶ
②あらかじめ前情報を入れる
③毎日継続する
詳しくみていきましょう。
①95パーセント以上理解できる教材を選ぶ
一つ目に気をつけておきたいのは、95パーセント以上理解できる教材を選ぶことです。
もし、1ページ目(300文字)でわからない単語が10語以上出てくるようであれば、多読には向いていません。
その際は、もっと簡単な教材を選ぶべきといえます。
なぜなら、難しいと読む速度が上がらないからです。知らない単語に出会うたび、ストレスを感じますし、リーディングの流暢性を高められません。
先ほど正しい多読の方法でも紹介した通り、多読は簡単な文章を大量にインプットすることが肝心。
なので、教材は最低でも90%以上理解できる本を選ぶようにしてくださいね。
個人的な視点でいうと理解度が90%落ちると精読練習に変わってしまうので注意が必要です。
②あらかじめ情報を頭に入れる
二つ目の注意すべき点は、多読を始める前に「あらかじめ情報を頭に入れること」です。
意外に、見過ごされがちですが多読の前に
・インターネットで本の要約をさらっと確認
・Amazonなどでレビューを読む
といった工夫をするだけで理解度が違ってきます。
もちろん、流れもある程度わかるので読むスピードも上がりますよ。
ネタバレするのは嫌な方もいるとは思いますけど、中国語で読むと違った角度で作品を楽しむことができるのでオススメです。
③毎日継続する
最後の注意点ですが、やっぱり中国語力を爆速で上げたいなら、毎日やることが大事です。
その上で、継続するにはやはり楽しむことが欠かせません。
・小説
・歴史
・ビジネス
なんでも良いので自分が興味を持てる話題を扱っている本から読みましょう。
挫折する確率が減るだけでなく、気づいたら一年で100万語以上の多読を達成しているかもしれません。
せっかく買ったから最後まで読み切ろうと思わなくてOK。
途中でつまらないと思ったら、どんどん違う本を読んでください。もちろん、2〜3冊を同時に読んでも大丈夫です。
とにかく、中国語の上達をしたいなら毎日続けることを優先してくださいね!
多読初心者にオススメできる教材
とはいえ、ここまで「多読しよう!」と言われても何から読めばいいか迷う方もいるはず。
そこで、僕が多読で使ったオススメの本を紹介していきます。ぜひ、参考にしてください!
中国語でちょっといい話 ~ どんどん読める 心温まる
まず、多読初心者にオススメしたいのが「中国語でちょっといい話〜 どんどん読める 心温まる」です。
僕がこの本が多読教材に適していると思うのは以下の点です。
オススメな点
・難易度が中検3級&HSK4級レベル
・音声付き
・前情報がついている
・難しい単語の意味が載っている
まず、なんといっても20編のストーリーがあるので多読の入門教材としては十分な量といえるでしょう。
さらに、中検3級レベルの簡単な中国語で書かれているので自信を持ってオススメできます。
また、多読教材としてだけでなく、音声も活用すればシャドーイングや音読などのトレーニングも並行してできますよ。
日本のマンガは多読と相性がいい!
あと、日本のマンガを中国語で読むのもオススメですよ。
「え?マンガじゃ多読にならないでしょ。」と思った方!
実は、マンガだって立派な多読教材として使えます。
まず、マンガは日常会話で使われる表現がたくさん使われています。
なので、インプット教材としてはめちゃくちゃ使えます。
実際、僕の場合、日常会話のフレーズはほとんど「マンガ」から覚えたといっても過言ではないです。
画像
しかも、活字びっしりの本よりもマンガって
・楽しく読める
・難しくない
・気づいたら大量に読んでいる
などメリットしかありません。
ただ、デメリットを挙げるとすれば
「日本で中国語に翻訳されているマンガを購入する場所があまりない」といったところですね。
運がよければ、メルカリで出品されていたりするので、随時チェックするしか今の所方法はなさそうです。
とにかく、マンガは多読の教材としてはかなり使える教材なので、ぜひ試してみてください!
まとめ:毎日多読すれば、中国語力は爆上げする!
今回は、多読の効果を第二言語習得研究の観点から解説してきました。
本記事のまとめ
⚪︎第二言語習得研究から見る多読の効果
→大量のインプットをしないとアウトプットは不可能
⚪︎100万語を目標に多読しよう!
→文字数が、300〜400文字ほど(1ページあたり)を7〜8ページ毎日読めば1年で100万語達成可能
⚪︎正しい多読の方
・辞書は引かない
・分からないところは飛ばす
・合わないと思ったら投げる
⚪︎多読するときに気をつけたい3つのポイント
・90パーセント以上理解できる教材を選ぶ
・あらかじめ前情報を入れる
・毎日継続する
語学の習得において一番大事なのは、何よりも大量のインプットであることが研究データから分かっています。
しかし、多くの人はいきなり「オンラインレッスン」や「試験対策」から始めようとします。
知識がない状態でアウトプットを始めても、正しいインプットができないのは当たり前です。
多読ほど簡単で楽に中国語のレベルを確実に上げる方法は、ほかにありません。
ぜひ、多読を今日から取り入れて中国語のレベルを上げていきましょう!
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